犬が散歩中にどんぐりを食べるのは危険?
普段の散歩中でも犬の誤食には注意が必要ですが、秋の散歩はどんぐりの誤食にも気を付けたいものです。ただし、どんぐりを1個2個食べてしまっても危険性はありません。
しっかりと犬に注意を払っていても、パクッと瞬間に口に入れてしまうことがありますので、そんなときは、慌てずに口を開けてどんぐりを取り出してあげてください。
すでにどんぐりを飲み込んでしまった!という際には、無理矢理吐かせる必要はありません。翌日、または翌々日あたりにはウンチと一緒に排泄されるはずですので観察しておきましょう。
大量にどんぐりを食べるとこんな危険が!
よくあるのが、ドッグランなどで放している際にどんぐりをたくさん食べてしまった、というケースです。
少量なら危険性がないどんぐりですが、大量に食べてしまうと殻や成分が犬の体に負担をかけることがあります。
大量のどんぐりを食べると消化管に傷を付けたり、胃や腸に詰まってしまう可能性があります。
また、どんぐりには緑茶にも入っている渋み成分の「タンニン」が含まれています。大量にタンニンを摂取すると、タンニン中毒を起こす危険性もあるのです。
タンニン中毒の症状
・便秘
・嘔吐
・粘膜の荒れ
・貧血
・肝臓障害
散歩中に大量にどんぐりを食べてしまった場合は、念のため犬が食べたと思われるどんぐりを持参して、動物病院に相談したほうが良いでしょう。
どんぐりは人間も食べられる食品ですが…
どんぐりそのものは、縄文時代から人間も食べてきた食品の1つです。現代でもどんぐりを材料にしたお菓子や料理がありますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
どんぐりは、糖質やタンパク質、脂質といった3大栄養素を含んでおり、ほかにも快便を促す食物繊維や、殺菌・解毒作用を持つタンニンなどが含まれています。
ただし、どんぐりを生で食べるのではなく、乾煎りするなどして加熱して殻も除いてから食してきました。
「人間が食べられるなら愛犬にも食べさせたい」と頭をよぎるかもしれませんが、野性犬ではなくペットとなった愛犬にどんぐりを食べさせるのはおすすめしません。
個体によってタンニンへの耐性がどこまであるかも判りませんし、なによりも普通にご飯を食べているワンちゃんには、まったく与えるメリットがないからです。
また、人に向けての中毒情報を提供している『公益財団法人 日本中毒情報センター』の資料によると、どんぐりに含まれるタンニンを有毒成分としており、重症になると血性下痢や頻脈、肝・腎障がいといった症状を起こすとして注意喚起しています。
子どもが大量に食べた場合は処置や対処療法が必要と明記されていることからも、愛犬にもどんぐりを与えないほうが安全です。
どんぐりを食べないように注意して散歩を楽しむ!
どんぐりは山の中だけでなく、公園にもたくさん落ちていますね。犬にとって、どんぐりは美味しい食べ物というよりは、何となく口に入れてみたくなるオモチャのようなものなのかもしれません。
一説には、胃酸が多い時にどんぐりを食べて調整することがあるとも言われていますが、腸に詰まってしまう危険性やタンニン中毒を考えると、愛犬にどんぐりを食べさせないに越したことはありません。
特に、幼犬の頃は人間の赤ちゃんと一緒で何でも口に入れてしまいます。どんぐりの周りにはカビが付いているかもしれませんし、実の中には虫がいることもありますので注意が必要です。
いつもの散歩道にどんぐりが落ちているなら、散歩のルートを変え、暗くなる前に散歩を済ませるなど、安全に愛犬との散歩を楽しめるよう工夫しましょう。