犬になすびを食べさせても大丈夫だが注意点も
愛犬ちゃんの視線がなすびに釘付けになっていたら、「犬になすびを食べさせてもよいの?皮は大丈夫?」と心配になるかもしれません。
なすびは夏から秋にかけてが旬とはいえ、飼い主様の食卓には1年中登場する野菜の1つかと思いますので、犬がなすびを食べても大丈夫なのかは知っておきたいところですね。
結論からお伝えすると、犬に茹でたなすびを少量食べさせる程度なら大丈夫。というのも、なすびは有益な成分だけでなく、たくさん食べさせると害になる成分も含んでいるからです。
今回は、なすびにはどんな栄養が含まれているのか、犬には何らかの健康効果が期待できるのか、注意点も併せてお話しします。
なすびの栄養価は低いものの健康効果アリ!
なすびはカロリーも低く様々な栄養素を含んでいるのですが、含有量が少ないのが難点です。イメージとしては、栄養素の含有量が少ないレタスとよく似ています。
なすびの特徴的な栄養素は、カリウムと食物繊維が挙げられます。なすびのカリウムはレタスよりやや多く、食物繊維量は約2倍です。
確かに栄養価は低いですが、犬がなすびを食べても何のメリットもないということではありません。
抗酸化力が強いのでガン予防が期待できる
なすびには、健康効果が期待される、“ナスニン”というアントシアニン系色素のポリフェノールが含まれており、特に皮部分に多く含まれています。
ナスニンには強い抗酸化力があるため、過剰な活性酸素による細胞の損傷を防ぎます。そのため、ガン予防や発ガン物質の抑制、老化予防に役立つといわれています。アントシアニンは眼病予防にも効果的な成分です。
特に、シニア犬になると自らが持つ抗酸化力が低下するので、抗酸化力を持つなすびを食べることは有益です。
また、抗酸化力を持つことで知られるブロッコリーより、なすびのほうが発ガン性物質の抑制力が強いことでも知られています。
炎症や痛みをやわらげる効果が期待できる
なすびには、“プロテアーゼインヒビター”という、蛋白分解酵素プロテアーゼの活性を阻害する成分が入っています。
炎症や痛みを抑える働きがあるため、関節痛や神経痛などが出やすいシニア犬にも有益です。脊髄神経が圧迫されるなどの原因で、椎間板ヘルニアや進行性脊髄軟化症の犬への治療に使われることもあります。
犬になすびを食べさせる際の注意点
なすびは必ず加熱する
人間の場合は、なすびを薄切りにして漬物として食べることもありますが、犬に食べさせる際は加熱が必要です。
なすびには食物繊維も含まれていますし、なんといってもナスニンが多い皮部分は固いので、茹でるか炒めて柔らかくしてから食べさせましょう。
ナスニンの抗酸化力は加熱に強いものの、水溶性成分なので茹で汁に流出しやすいのが難点です。茹でる際は5分程度に留め、茹で汁の一部も使うと効果的。なすびをトロトロにして犬に食べさせたい場合は、皮とは別に茹でるとよいですね。
なすびは大量に食べさせない
なすびには、健康効果が期待できる有益な成分も入っていますが、有害になる成分も含むため、大量に食べさせないほうが安全です。
ナス科のなすびやトマト、ジャガイモなどの植物には、動物から身を守るための“アルカロイド”という苦味と毒性を持つ成分が入っています。ただし、常識を超えるほど莫大な量を食べない限り、健康被害をこうむることはないようです。
また、長期に渡り食べさせ続けると、アルカロイドの影響で関節の炎症が起きやすくなる可能性があります。手作り食でナス科の野菜だけを組み合わせるのは控えたほうがよいでしょう。
犬になすびを食べさせる際は、ほんの一口程度に留め、無制限に食べさせないようにしてくださいね。
犬になすびを食べさせるなら調理法や量を考慮して
なすびには、いろいろな栄養素が入っているものの、含有量が低いので決して栄養価が高い野菜とはいえません。
しかし、なすびにはガン予防が期待できる成分や、炎症や痛みをやわらげる成分が入っています。
栄養を摂らせるというよりも、シニア犬などが抱えるリスクを低下させるのに役立つ可能性がある野菜です。
犬になすびを食べさせる際は、アルカロイドの悪影響も考慮して、加熱したものを少しだけ与えるに留めましょう。