犬にれんこんを食べさせても大丈夫だが注意も必要
犬にれんこんを食べさせても、基本的には大丈夫です。
れんこんは、古くから薬用野菜の1つとして食べられてきました。女性には嬉しい美肌効果があり、生活習慣病予防にもよいと言われています。
また、れんこんの穴から先が見通せるとして、縁起物野菜としても知られています。
私たちの健康にも貢献するれんこんには、いったいどんな栄養が含まれているのでしょうか。
大切な愛犬ちゃんにれんこんを食べさせるにあたり、どんな健康効果が期待できるのか、注意点も併せてお話しします。
れんこんが含む栄養成分と犬に期待できる健康効果
れんこんはスイレン科ハス属の野菜で、ハスの地下茎部分が肥大したものです。インドや中国が原産で、明治になってから日本で多く栽培されるようになりました。
蓮田と呼ばれる泥地や沼沢地で栽培され、寒い季節に収穫されます。テレビなどで泥だらけのれんこんを掘り出している様子が映し出されますよね。
泥の中で頑張って成長する、れんこんの特徴を見ていきましょう!
れんこんはカロリーが高め
れんこんの最大の特徴は、カロリーが高いことです。イモ類ではないのに、たっぷりと糖質(デンプン)を含んでいます。
じゃがいも(中1個)のカロリーが76kcalなのに対して、れんこん(中1節)は66kcalです。(いずれも100g中のカロリー)
糖質はエネルギーの源ですから、いつもより体力を消耗するような運動をさせるときには役立ちますね。
れんこんのビタミンCは加熱OK
れんこんには、じゃがいもの2倍ものビタミンCが含まれています。
しかも、れんこんのデンプンが多いことで、加熱してもビタミンCが壊れにくいのが特徴です。
犬はビタミンCを体内で合成できますが、加齢やストレス、病気などで消耗すると間に合わないことがあります。
ビタミンCには疲労回復効果や老化予防、免疫力向上といった多くの働きがあるので、愛犬ちゃんの健康維持に役立ちます。
れんこんにはミネラルも豊富
れんこんには、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素などのミネラルも多く含まれています。
ミネラルはそれぞれに働きがありますが、犬の体を構成したり、細胞内外の水分バランスなどを取ったりと、犬の健康維持には欠かせない栄養素です。
れんこんには不溶性食物繊維が多い
れんこんには、水に溶けない不溶性食物繊維が多く含まれています。
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性と溶けにくい不溶性とに分けることができます。
どちらも便秘の改善や腸内環境を整えるのに役立ちますが、不溶性食物繊維は腸壁を刺激して食べた物を移動させる、蠕動(ぜんどう)運動を活発化するのが特徴です。
便秘気味のワンちゃんのお通じを促進するのに役立ちます。
れんこんのレクチンで免疫力アップ
れんこんには、タンパク質の1種であるレクチンという栄養成分が含まれています。
レクチンは、れんこんだけでなく豆類や穀物、卵などにも含まれていて、免疫力を高める働きがあります。
免疫力の向上は病気を予防するのに欠かせないので、年齢にかかわらず必要な成分です。
れんこんのタンニンがアレルギーによい?
れんこんは表面が薄黒かったり、切り口が黒ずんだりしますよね。これは、れんこんに含まれるタンニンが空気に触れて酸化するからです。
ポリフェノールの1種のタンニンには、下痢の改善や活性酸素のダメージから細胞を守るなどの働きがあり、ヒトが食べる分においては安全です。
埼玉医科大学の研究により、ヒトでは花粉症の改善に効果があるとのこと。
ただし、タンニンの効果は犬ではなく、飼い主様限定です。
犬にれんこんを食べさせる際の注意点
カロリーオーバーにならないように注意
れんこんはカロリーが高いので、ドッグフードにプラスする際は、カロリーオーバーにならないように注意してください。
お味見程度に、ひと口食べさせるだけで十分でしょう。
れんこんのタンニンに注意
健康で若い愛犬ちゃんなら、ひと口程度のれんこんを食べても大丈夫です。
しかし、加齢や病気で消化・吸収・排泄能力などが低下していると、タンニンが腸壁に付着することがあります。
生理機能が低下している犬にれんこんを食べさせると、下痢や血便などを起こす可能性があるので危険です。
また、酢水に浸すとれんこんの変色は防げますが、タンニンがなくなるわけではありません。
れんこんの食物繊維の摂り過ぎに注意
犬がれんこんの不溶性食物繊維を摂り過ぎると、便通の改善とは反対に、下痢や便秘、嘔吐などを起こしかねません。
れんこんは細かくカットするか、すりおろすなどして、胃腸に強い負担がかからないようにして食べさせましょう。
栄養豊富なれんこんですが、やはり犬にはひと口程度を食べさせるに留めたほうが安心です。
れんこんの特徴をよく知って、安全に食べさせてあげてくださいね。