犬にマッシュルームを食べさせても大丈夫!
ちょっとおしゃれな料理に重宝するマッシュルームですが、犬に食べさせてもよいのでしょうか?結論からお伝えすると、犬にマッシュルームを食べさせても大丈夫です。
マッシュルームはグルタミン酸などの旨味成分が多いものの、比較的香りが薄いので、犬にも食べさせやすいキノコの1つになります。
ところで、海外セレブの間では健康的に痩せられるとして、マッシュルームダイエットが注目を浴びているのはご存知ですか?英語でキノコを意味するマッシュルームなどを含め、1日1食をキノコ料理に置き換えるダイエット法なのだそうですよ。
さて今回は、そんなマッシュルームにはどんな栄養成分が含まれているのか、犬にはどんな健康効果が期待できるのか、注意点も併せてお話しします。
マッシュルームの栄養成分と犬に期待できる健康効果
マッシュルームが欧米でダイエットにも使われるのは、世界一生産されているポピュラーなキノコだからでしょう。
ほかにも、マッシュルームはキノコ類の中ではカロリーが低い点や、ビタミンB2、カリウム、セレンなどのミネラル類が多く入っているからかもしれません。
マッシュルームには食物繊維も入っていますが、意外にもキノコ類の中では少ないほうで、しいたけの約半分以下なんですよ。さらに、エリタデニンという、聞いたことのないような成分も入っています。
それでは、犬の健康にも役立つマッシュルームの栄養成分の働きを見ていきましょう。
マッシュルームのビタミンB2でダイエット&皮膚の健康維持
マッシュルームのビタミンB2含有量は、キノコ類の中では断トツに多いのが特徴です。ダイエットには食物繊維がよいイメージが強いですが、ビタミンB2にもダイエット効果があります。
ビタミンB2には、炭水化物・タンパク質・脂質の代謝促進や、新陳代謝を促進する働きがあるからです。特に、脂質を分解してエネルギーに変えるので、犬のダイエットにも効果的です。
また、ビタミンB2は皮膚や粘膜、目の角膜の健康維持にも欠かせません。愛犬ちゃんが脂漏性皮膚炎などの皮膚病になりやすい場合は、ビタミンB2が欠乏している可能性も考えてみてください。
マッシュルームのカリウムでむくみ予防
マッシュルームには、ほかのキノコ類と同程度のカリウムが含まれています。カリウムには体内の余分な塩分を排出する働きがあるので、むくみや高血圧の予防、筋肉を正常に維持するのに役立ちます。
人間だけでなく犬も塩分を多く摂る習慣があると、血液中の塩分濃度が濃くなるため、水分を溜め込みやすくなります。
その結果、むくみやすくなるばかりか、腎臓や心臓などの臓器に負担がかかって、犬の高血圧や腎臓病といった病気にもなりかねません。
マッシュルームのセレンでガン抑制
セレンというミネラルの名前はあまり耳にしないかもしれませんね。マッシュルームには、エリンギの約7倍、しいたけの約2.3倍と、ほかのキノコ類と比べてセレンが多く含まれるのが特徴です。
セレンには細胞を傷付ける活性酸素を除去する抗酸化作用があるため、ガン細胞の増殖を抑制する力があります。
ヒトでは、皮膚ガンや肺ガン、前立腺ガンの発生率低下や、リウマチ関節炎の痛みに対して、ビタミンEと一緒に摂ることで緩和することがわかっています。
残念ながら犬に対する研究報告は見当たりませんが、ほかの動物実験では抗ガン性を示しているので、犬にもガン抑制が期待できそうです。
マッシュルームのエリタデニンはコレステロール値を下げる
犬への健康効果はなんとも言えませんが、飼い主様の健康維持の豆知識として、エリタデニンについても知っておきましょう。
エリタデニンとは、マッシュルームとシイタケだけに見つかっている特有の成分です。
しいたけと比べると1/100程度とかなり少ないものの、シメジやエノキタケ、キクラゲ、ナメコなど、ほかのキノコ類には含まれていないので、マッシュルームの特徴的な成分と言えます。
エリタデニンには、血中コレステロール値を下げる働きや、血流をスムーズにして血圧を下げる効果が期待されているので、生活習慣病が気になる飼い主様におすすめです。
犬にマッシュルームを食べさせる際の注意点
念のため加熱して茹で汁も食べさせる
新鮮なマッシュルームの場合、飼い主様は生で食べることもあるでしょう。しかし、愛犬ちゃんに食べさせる場合は、念のため加熱してから食べさせたほうが安心です。
また、ビタミンB2はやや水に溶けにくい性質があるものの、茹で汁に溶け出している分も一緒に摂らせてあげましょう。カリウムや水分補給ができるので、夏バテ対策にも有効です。
細かく切ってから食べさせる
マッシュルームの食物繊維量は多くありませんが、やはり食べやすいように細かくカットしてから食べさせたほうがよいでしょう。
少量を心がける
ほかのキノコ類同様に、マッシュルームも犬に食べさせ過ぎれば消化不良を起こす可能性があります。愛犬ちゃんのひと口分程度が目安です。
また、気になる情報も念のためお伝えしておきます。エリタデニンの新薬開発においてビーグルを使った臨床試験では、足裏に充血が見られたとのこと。ただし、用量を上げた試験なので、毒性が出るほどのエリタデニンを投与した可能性もあります。
怖いな~、と感じた飼い主様もいらっしゃるかと思いますが、もともとマッシュルームに含まれるエリタデニンはかなり少ないので、マッシュルームを犬が少量食べる分には心配ありません。
どんな食材であっても、常識の範囲内でほどほどに食べさせるのが鉄則です。
マッシュルームの特徴を知って犬の健康に役立てよう!
マッシュルームには、ダイエットや皮膚・粘膜の健康維持に役立つ栄養成分が入っています。
ほかにも、塩分を排出するカリウムや、ガン抑制効果のあるセレン、コレステロール値や血圧を下げる効果が期待されるエリタデニンという成分も含んでいます。
マッシュルームは香りが弱い分、与えた分だけ食べてしまうかもしれないので、量には注意してくださいね。
積極的に食べさせなくてもよいですが、愛犬ちゃんの食生活にバリエーションを与える食材として、マッシュルームを使ってみてはいかがでしょうか。