犬にオレンジジュースを飲ませても大丈夫だが注意も必要
飼い主様がオレンジジュースを飲んでいるときに、ジーッと見つめて欲しそうにする愛犬ちゃんもいるようですね。
結論からお伝えすると、犬にオレンジジュースを飲ませても大丈夫ですが注意も必要です。
柑橘類を嫌う犬も多いですし、甘味はクセになることを考えると、わざわざ飲ませる必要はありません。
今回は、オレンジジュースに含まれる栄養成分や期待できる健康効果、注意点などについてお話しします。
オレンジジュースに含まれる栄養成分
オレンジジュースはビタミンCが多い?少ない?
オレンジジュースの原料であるオレンジは、「ビタミンC」「β-クリプトキサンチン」「カリウム」「食物繊維」などを含むのが特徴です。
なかでもビタミンCが豊富で、同じ柑橘類の温州みかんと比べると、約2倍の60mg(100g当たり)を含有します。
ビタミンCは免疫力の向上や抗ストレス作用、皮膚や骨の健康に役立つことが知られています。
犬は体内でビタミンCを作ることができますが、加齢や激しい運動、ストレスなどによって消耗されるため、食べ物から補給するのも有益です。
それでは、オレンジジュースにはどのくらいのビタミンCが含まれているのでしょうか?
手作りと、市販のオレンジジュースに分けてみていきましょう。
【手作りオレンジジュースのビタミンC含有量】
オレンジジュース200mlを手作りするには、一般的に約2個分のオレンジが必要といわれています。
バレンシアオレンジを一例に話を進めると、1個の皮を剥いた重量は約150gなので、2個で300gです。
100g中のビタミンC量40mgを単純に3倍して計算すると、搾りたてのオレンジジュース200ml中には、ビタミンCが120mgも含まれていることになります。
厚生労働省が12歳以上の男女に対して推奨するビタミンC 量は100mg/日なので、かなり多いことがわかりますね。
もちろん、犬にオレンジジュースを200mlも飲ませてはいけません。
【市販のオレンジジュースのビタミンC含有量】
市販のオレンジジュースのビタミンC含有量を調べてみたところ、ほとんどのメーカーは記載しておらず、数社のみが記載するにとどまりました。
これは、ジュースなどの加工食品の栄養成分表示は任意であることが理由で、決して違法ではありません。
以下、メーカーによって販売する容量がまちまちなので、200ml中に含まれるビタミンC含有量に換算しています。
A社:76~474mg
B社:78mg
C社:31mg
市販のオレンジジュースにも、そこそこビタミンCが含まれていることがわかりました。
とくにA社は最大の含有値が高く、手作りのオレンジジュースの約4倍です!
数値に「~」とあるのは、収穫したオレンジのできばえによって異なるためと推測します。
また、A社の原材料名には「オレンジ、ビタミンC、香料」とあったので、含有値が高いのは酸化防止のためのビタミンCを添加していることが理由だと思われます。
市販のオレンジジュースに表示される数値は、オレンジのみのビタミンCではない可能性があることを知っておいてくださいね。
そのほかの特徴的な栄養成分
「β-クリプトキサンチン」「カリウム」「食物繊維」にかんしては表示されていないため、どのくらい含まれているかは不明です。
犬にオレンジジュースを飲ませる際の注意点
オレンジジュースは大量に飲ませない
手作りでも市販のオレンジジュースでも、コップ1杯・約200ml当たりのカロリーは100kcal程度です。
水分や栄養補給になるからと、犬に大量のオレンジジュースを飲ませないでください。
下痢や嘔吐する可能性があるので、犬にオレンジジュースを飲ませる際は舐めさせる程度に留めましょう。
オレンジジュースの添加物にも注意
メーカーによっては、オレンジジュースに香料や着色料、保存料などを添加しています。
オレンジジュースを購入する際は、犬の健康長寿のためにも無添加を選ぶことをおすすめします。
また、加糖されているタイプは控え、できるだけ果汁100%のオレンジジュースを選ぶのがよいでしょう。
カビに注意
通販サイトで海外輸入のオレンジジュースを購入した人が、「フタがカビていた」という口コミを投稿していました。
カビ毒で愛犬ちゃんが体調不良を起こさないよう、くれぐれも商品の状態を確認してから飲ませましょう。
オレンジの皮の成分や防カビ剤に注意
オレンジジュースを自宅で作るときは、オレンジの皮を犬に舐めさせたりかじらせたりしないでください。
オレンジの皮には「ソラレン」や「リモネン」という口腔内の粘膜を荒らす成分が入っているからです。
犬がオレンジの皮を誤って大量に食べてしまうと、下痢や嘔吐、脱水による命の危険があります。
万が一食べてしまった際は、獣医師に相談してください。
また、輸入オレンジなど海外製の果物には、防カビ剤が使われていることが多いので注意が必要です。
外皮を丁寧に洗うのはもちろんですが、防カビ剤を完全に除去するのは難しいといわれています。
ジューサーにはオレンジの皮を入れない、皮を剥いたあとの果肉をサッと洗い流す、包丁や手をこまめに洗うなど、できるだけ外皮と果肉部が触れないように気を付けましょう。
手作りのオレンジジュースを作る際は外皮の取り扱いに注意し、ジュース内に防カビ剤が混入しないようにしてください。
消化不良に注意
オレンジのツブツブは、犬にとって消化不良の原因となる可能性があります。
犬用にオレンジジュースを手作りする際は薄皮を除去し、液体部分のみを飲ませましょう。
また、ストレートのまま飲ませてもよいですが、若干の水で薄めてから与えてもよいでしょう。
初めて犬にオレンジジュースを飲ませる際は、アレルギーが出ないか、お腹の調子が悪くなっていないかなど、状態をしっかり観察してください。
犬にオレンジジュースを飲ませてもよいのか?まとめ
オレンジジュースには一定量のビタミンCが含まれていますが、成分表示しているメーカーも少なく、そのほかの栄養成分がどのくらい含まれているのかは不明です。
健康な犬であればオレンジジュースを飲ませてもよいですが、あえて与える必要もありません。
市販品を購入する際は衛生面に注意するほか、加糖されていないもの、香料や着色料などの添加物が入っていないものを選びましょう。
手作りのオレンジジュースを作る際は、外皮に防カビ剤が噴霧されていることを前提に、ジュース内に混入しないような工夫が必要です。